歌舞伎オンデマンド 十二月大歌舞伎<第三部>セット

※当サイトはアフィリエイト広告を掲載しています

単品レンタル(「舞鶴雪月花(ぶかくせつげっか)」2750円+「天守物語」3300円)よりもかなり安くなるので、歌舞伎オンデマンドで八月納涼歌舞伎<第一部>セット(「舞鶴雪月花」と「天守物語」)をレンタルした。(レンタル料金4950円)

まず、「舞鶴雪月花」。歌舞伎美人での上演時間は 6:20-6:52 32分で、配信も同じだった。

この演目は、上の巻・さくら、中の巻・松虫、下の巻・雪達磨の三部構成で、桜の精/松虫/雪達磨を中村勘九郎さん、松虫を中村長三郎さんが勤めた。

「さくら」では、「藤娘」と同じく舞台に満開の大きな桜の木が存在感を放っている。大木から、そっと姿を見せる勘九郎さんの桜の精が可愛らしい。勘九郎さんの女方を観るのはいつ以来だろう?衣装の早替わりもあり、短いながらも華やかで心浮きたつような舞踊だった。

「松虫」は秋の景色。松虫の長三郎さんが奮闘していた。短時間ながらも、11歳で歌舞伎座の舞台を一人で任されるのだから、大したものだ。相当お稽古したことだろう。

最後の「雪達磨」は色々衝撃的だった。真っ白い顔、炭や炭団を模倣した黒い眉に目に鼻に口という化粧からしてインパクトが大きかった。コミカルな動きが楽しい。長唄の「からすの勘三郎」という歌詞に合わせ、勘九郎さんが天を指さして合掌する姿に、18勘三郎さんを思い出した。(客席からの拍手は同じ思い。18勘三郎さんが亡くなったのは2012年12月だった)。鶏が鳴き、夜が明けてきて溶けていく雪達磨の表現がこれまたコミカルで面白い。溶けつつある雪達磨を踊りで見せながらせりで下がっていく勘九郎さん。これで終わりかと思いきや、最後の最後に溶けた雪達磨の残骸がせり上がってきて、舞台奥では朝日が昇る。予想だにしていなかったエンディングだった。

次に「天守物語」。歌舞伎美人での上演時間は 7;22-0:12 1時間50分で、配信は1時間59分だった。

配役は、富姫に坂東玉三郎さん、姫川図書之助に市川團子さん、亀姫に中村七之助さん、小田原修理に中村歌昇さん、侍女撫子に中村歌女之丞さん、薄に上村吉弥さん、朱の盤坊に市川左團次さん、舌長姥に市川門之助さん、近江之丞桃六に中村獅童さん。

オープニングは歌舞伎座の月が描かれた緞帳を使った演出なのだろうか。幻想的な雰囲気を盛り上げている。女童たちの歌う「通りゃんせ」が聞こえてくると、そこはもう姫路城天守閣。

玉三郎さんの富姫は気高く美しい。七之助さんの亀姫も、富姫に負けないくらいの気品と美しさだった。吉弥さんの薄は風格があり、門之助さんの舌長姥は不気味。男女蔵さんの朱の盤坊は、映画「天守物語」の市川左團次さんを思い出させる。

腰元たちが亀姫出迎えのときに黒い衣装に変わっていたけど、以前観たときは冒頭の草花を釣っていた時と同じだったような記憶がある。細かい所で変わっているのね。

後半、階段を登って天守に上がって来た図書之助の團子さん、若く凛々しく爽やかだけでなく、玉三郎さんの亀姫に負けない存在感が出ているのに驚いた。玉三郎さんが見込んで図書之助に抜擢しただけのことはある。最後に登場する桃六の獅童さん、意外と老け役が合っていた。

2023年5月の平成中村座姫路城公演にて観た「天守物語」を超えるものはないかと思っていたが、やはり、玉三郎さんの富姫は別格だった。

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました