歌舞伎オンデマンドで「妹背山女庭訓」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、太宰館花渡し 4:30-4:50 20分、吉野川 5:15-7:10 1時間55分 合計 2時間15分で、配信は2時間16分だった。イヤホンガイドweb講座(16分)がセットされている方をレンタルして料金は4250円だった。
配役は、太宰後室定高に坂東玉三郎さん、久我之助に市川染五郎さん、雛鳥に尾上左近さん、蘇我入鹿に中村吉之丞さん、大判事清澄に尾上松緑さん。
「妹背山女庭訓」のうち、「道行恋苧環」や「三笠山御殿(金殿)」はよく上演されるけれど、「太宰館花渡し」そして「吉野川」となると、歌舞伎での上演回数が非常に少なくなる。なのに、2023年9月に国立劇場で「妹背山女庭訓」の通しに続き、1年後の2024年9月に歌舞伎座で「太宰館花渡し」「吉野川」が上演された。両花道、舞台中央に滝車、竹本も上手下手の二手に分かれるという大掛かりな舞台。歌舞伎ではめったに観られるものではない。
国立劇場も歌舞伎座も大判事清澄は松緑さんが勤めた。過去の上演記録を調べると二世中村吉右衛門さんが大判事を勤めることが多かったようだが、松緑さんが後継者なのだろう。2回目ということもあってか、無難に演じていた。対する玉三郎さんの定高は気丈で貫禄ある姿だった。
久我之助の染五郎さんはともかくとして、雛鳥の左近さんは大抜擢だと思う。芝居の久我之助と雛鳥に近い年齢なのでリアリティが出ているものの、教わったことを一生懸命こなしているという感じだった。(玉三郎さんによる、若手特訓教室なのかも)。
今回中村京妙さんが演じた腰元小菊って、道化役なのね。全体的に重い話なので、軽い道化役がいると少しは場が和む。こういった配役を考えた昔の人は凄い。
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