各々3300円の単品レンタルに100円プラスするだけで web 講座もレンタル可能ということで、歌舞伎オンデマンドで團菊祭五月大歌舞伎<夜の部＞セット（「伽羅先代萩」と「四千両小判梅葉」、イヤホンガイド web 講座 32分）をレンタルした。（レンタル料金6700円）
まず、「伽羅先代萩」。歌舞伎美人での上演時間は 4:30-6:06 1時間36分で、配信は配信は1時38分だった。
配役は、御殿の場が乳母正岡に尾上菊之助さん、栄御前に中村雀右衛門さん、一子千松に尾上丑之助さん、鶴千代に中村種太郎さん、沖の井に中村米吉さん、八汐に中村歌六さん。床下の場が仁木弾正に市川團十郎さん、荒獅子男之助に市川右團次さん。
菊之助さんの政岡が圧巻だった。鶴千代の乳母としての仕事が第一で、息子の千松に対しても母よりは乳母の立場で接する。母の姿を見せるのは、殺された千松と二人きりになってから。実の息子の丑之助さんが千松なので、一層、親の愛情がひしひしと感じられた。これまで、親子で政岡と千松を演じた例はあったのだろうか？
次に「四千両小判梅葉」。歌舞伎美人での上演時間は 6:41-8:30 1時間49分で、配信は1時間43分だった。
配役は、野州無宿富蔵に尾上松緑さん、数見役に坂東彦三郎さん、頭に坂東亀蔵さん、女房おさよに中村梅枝さん、三番役に中村歌昇さん、浅草無宿才次郎に中村萬太郎さん、四番役に中村種之助さん、黒川隼人に中村鷹之資さん、寺島無宿長太郎に尾上左近さん、生馬の眼八に市村橘太郎さん、田舎役者萬九郎に中村松江さん、浜田左内に河原崎権十郎さん、うどん屋六兵衛に坂東彌十郎さん、隅の隠居に市川團藏さん、牢名主松島奥五郎に中村歌六さん、石出帯刀に坂東楽善さん、藤岡藤十郎に中村梅玉さん。
この演目はこれまで全く観たことがなかったので、あえて web 講座も視聴しないで観てみた。松緑さん、また泥棒役だ。ただ、今回の富蔵は入墨がある前科者で江戸城の御金蔵から4000両もの大金を盗むスケールの大きなもの。松緑さん初役だそうだが、なかなかにはまっていた。そして、富蔵と共に盗みをする藤十郎の梅玉さんは今回が3度目とのことで、さすがの貫禄だった。
この演目の一番の見どころは、何といっても伝馬町の西牢内の場面。畳の高さが囚人の序列を現わしている。松江さん演じる萬九郎の「すってん踊り」は強烈なインパクトだ。地獄の沙汰も金次第をリアルに表していて怖い。
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