歌舞伎オンデマンド 水戸黄門

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歌舞伎オンデマンドで「水戸黄門」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、6:37-8:25 1時間48分で、配信は1時間45分だった。

配役は、水戸光圀に坂東彌十郎さん、松平頼常に中村歌昇さん、うどんや娘おそでに坂東新悟さん、佐々木助三郎に中村福之助さん、渥美格之進に中村歌之助さん、娘お蝶実は九紋竜の長次に中村虎之介さん、うどん職人茂助に澤村宗之助さん、目付沢木源之助に中村吉之丞さん、吉太郎妹お光に市川男寅さん、港屋の倅吉太郎に大谷廣太郎さん、山崎又一郎に中村亀鶴さん、港屋辰五郎に片岡亀蔵さん、うどんや女将お源に中村魁春さん。

テレビドラマの印象が非常に強く残っている「水戸黄門」。今回上演されたものは新作なのかと思いきや、1975年6月歌舞伎座の萬屋錦之助特別公演にて初演されたものの再演とのこと。

「讃岐漫遊篇」とあるように、芝居は琴平と高松を舞台に繰り広げられる。幕開きは金毘羅宮門前。金毘羅大歌舞伎では坂東彌十郎一座が「鎌倉殿三代記」という芝居を打っていて、彌十郎が13役早替わりを勤め、大詰めには北条時政にて宙乗りする、と呼び込みしている。(もちろん、NHK 大河「鎌倉殿の13人」を念頭においている)。これはこれで観てみたい。

その後、舞台は高松に移る。黄門様が領主の松平頼常に対する庶民の不満を耳にし、高松藩の内部で起こっている悪を暴き、最後は息子の頼常を正して再び旅に出るという、いつものパターン。

年齢的な部分もあるのだろうけれど、彌十郎さんは黄門様として全く違和感なく、コメディ的なところも上手くて適役だった。福之助さんの助さん、歌之助さんの格さんは、衣装が違うにしても顔が兄弟でよく似ているのでどちらがどちらか混乱してしまった。新悟さんのおそでもこの芝居に合っていて良かった。長次の虎之介さんは奮闘。お光の男寅さんは華やかさを醸し出していた。亀鶴さんの山崎、亀蔵さんの湊屋は見事な悪役ぶりだった。宗之助さんの茂助が地味ながらいい味を出していた。魁春さんんのお源は短い台詞ながらも重みをみせていた。

テレビドラマの記憶が鮮明な世代としては、「あゝ人生に涙あり」や葵の御門の印籠が登場しないのは物足りないものがあるものの、いろいろな事情があるのだろう。

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