歌舞伎オンデマンドで「音菊眞秀若武者(おとにきくまことのわかむしゃ)」を観た。歌舞伎美人での上演時間は、2:17-3:07 50分で、配信は52分だった。
配役は、岩見重太郎に尾上眞秀さん、弓矢八幡に尾上菊五郎さん、長坂趙範に尾上松緑さん、藤波御前に尾上菊之助さん、大伴家茂に市川團十郎さん、渋谿監物に坂東彦三郎さん、趙範手下鷹造に坂東亀蔵さん、腰元梅野に中村梅枝さん、村の若い者萬兵衛に中村萬太郎さん、村の若い者光作に坂東巳之助さん、村の若い者佑蔵に尾上右近さん、重臣布勢掃部に市川團藏さん、局高岡に中村時蔵さん、重臣二上将監に坂東楽善さん。尾上眞秀さんの初舞台に、数多くの役者さんたちが顔をそろえた。
尾上眞秀さんは、既に本名の寺嶋眞秀で舞台に出演していたけど、初代尾上眞秀という歌舞伎の名前を名のっての初舞台となった。眞秀さんの母親は菊五郎さんの娘の寺島しのぶさん、父親はフランス人アートディレクターのローラン・グラシアさん。フランス繋がりで、初舞台の祝幕は何とシャネルのサポートによる斬新でカラフルなものだった。
お芝居は、副題の「岩見重太郎狒々(ひひ)退治」の通り、岩見重太郎の伝説をもとにしたもので、眞秀さんが前半は可愛らしい女童の姿で見事な舞を披露し、後半は重太郎として狒々退治の立ち廻りを見せるもの。
前半は、長唄と常磐津の演奏で、眞秀さんをはじめとする出演者たちの舞が見どころ。眞秀さんが菊之助さんと團十郎さんと一緒に踊るときの扇には、青・白・赤の花があしらわれている。(トリコロールね)。村の若い者3人による踊りも楽しい。(作曲者の常磐津兼太夫さんのツイートによると、ビゼー(フランスの作曲家)作「カルメン Carmen」の「ハバネラ Habanera」からヒントを得たとのこと)。
大薩摩をはさみ、後半は義太夫となる。眞秀さんの重太郎と、松緑さん演じる長坂趙範の手下たちとの立ち廻りが見どころ。最後に、花道で衣装がぶっ返って、六方の引っ込み。前半の女方、後半の立役の演じ分けもしっかりこなし、立ち廻りや六方の動きも元気にきびきびしていた。将来が楽しみな役者さんの誕生だ。
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