歌舞伎オンデマンド 猪八戒

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歌舞伎オンデマンドで「猪八戒」を観た。歌舞伎美人での上演時間は 12:01-12:55 54分で、配信の方は54分だった。

配役は、童女一秤金実は猪八戒に市川猿之助さん、孫悟空に尾上右近さん、沙悟浄に市川青虎さん、村長張寿函に市川寿猿さん、女怪緑少娥に市川笑三郎さん、女怪紅少娥に市川笑也さん、霊感大王実は通天河の妖魔に市川猿弥さん。

「猪八戒」はその題名から分かるように「西遊記」を題材にした舞踊劇で、初代市川猿翁が1926年(大正15年)に初演したものとのこと。歌舞伎座での本興行では、初演以来95年ぶりの上演だそうな。

幕が開くと、寿猿さん演じる村長や村人たちが、霊感大王への生贄の身替りに三蔵法師の弟子がなったことを話している。寿猿さんお元気で何より。

村人たちが去って、入れ替わるように、猿之助さん演じる童女一秤金が登場する。竹本に合わせて童女は踊る。竹本だけでなく、一秤金の台詞も竹本葵太夫さんが語っているが、猿之助さんも台詞に合わせて口パク。童女から猪八戒の本性を出したところは、弁天小僧を彷彿とさせた。

童女いや猪八戒は供物の酒を飲んで踊る。しばし猿之助さんの踊りが続いた後に、花道すっぽんから猿弥さんの霊感大王が現れた。ここからは、猿之助さんと猿弥さん二人による踊り。いつの間にやら猿之助さんの額に赤い2本の筋が描かれているが、猪八戒の本性が出てきているということなのだろうか。それにしても、様々な動きの踊りを自然にこなしている猿之助さんの身体能力には、本当に驚かされる。

猪八戒が本来の姿になり、霊感大王いや妖魔とバトルを繰り広げる。と、右近さんの孫悟空と、青虎さんの沙悟浄が欄間抜けで登場。多勢に無勢かと思いきや、大王は笑三郎さんの女怪緑少娥(笑三郎さんは、やっぱり緑なのね)、笑也さんの女怪紅少娥を呼び出して、見た目も派手な3対3の立ち廻り。更に、妖魔の手下たちがやってきて、見応えのあるアクションで舞台を盛り上げる。最期は、猪八戒たち、妖魔たちで形を作って幕となった。

趣向を凝らした楽しい一幕だった。

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