歌舞伎オンデマンドで「新・三国志 関羽編」を観た。歌舞伎美人での上演時間は11:00-12:10、12:40-1:40 合計2時間10分で、配信の方は2時間15分だった。
配役は、関羽に市川猿之助さん、劉備に市川笑也さん、香溪に尾上右近さん、孫権に中村福之助さん、関平に市川團子さん、諸葛孔明に市川弘太郎改め市川青虎さん、華佗に市川寿猿さん、司馬懿に市川笑三郎さん、陸遜に市川猿弥さん、黄忠に石橋正次さん、曹操に浅野和之さん、呉国太に市川門之助さん、張飛に市川中車さん。
三国志についてよく知らないので、イヤホンガイド Web 講座で予習してから鑑賞した。
1999年の三代目市川猿之助(現・猿翁)さんが初演した時は、4時間にも及ぶ上演時間だったそうだが、コロナ禍ということもあり、今回は約2時間に短縮しての上演となった。
関羽の猿之助さんは非常に堂々としていて貫禄があった。劉備(実は女性の玉蘭)の笑也さんは凛々しくて美しく、声のトーンだけで男と女を自在に行き来している演技に驚いた。張飛の中車さんはパワフルで顔芸も炸裂。冒頭に、それまでのあらすじを説明する羅昆中もはまり役だった。孔明の青虎さんは(関羽の台詞に、青き虎となって、と襲名を示唆する文言が入っていた)名前が変わって大きな役が付いて、これからの活躍が期待できるものだった。司馬徽の笑三郎さん、男らしい姿を久しぶりに観た。(NARUTO の大蛇丸以来か)。陸遜の猿弥さんは地味ながらも要所を押さえていた。関平の團子さんは10代とは思えぬ堂々とした演技だった。華佗の寿猿さんはお元気そうで何より。香溪の右近さんは本当に綺麗。将来は、劉備役があるのかもしれない。孫権の福之助さん、南座に出演していた橋之助さんや歌之助さんと異なり、澤瀉屋で鍛えられていたのね。浅野和之さんは歌舞伎座でもさすがの存在感だった。
場面は目まぐるしく変わり、そして、主な出演者の見せ場がきっちりある。最後は皆が花道を順に引っ込んで、猿之助さんの宙乗りへ。カーテンコールを行わない代わりの演出だったのだろうか。
劉備の夢は「人が飢えぬ国、売られぬ国、人が殺されぬ国を創ること」。2022年2月半ばからのウクライナ情勢を思うと、現在もまだ三国志の世界と変わらないことを痛感させられる。「夢見る力」で平和な世界になるのはいつの日だろうか。
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