単品レンタル(「髪結新三」3850円+「紅翫」1980円)よりもかなり安くなるので、歌舞伎オンデマンドで八月納涼歌舞伎<第二部>セット(「梅雨小袖昔八丈 髪結新三」と「艶紅曙接拙 紅翫」)をレンタルした。(レンタル料金4730円)
まず、「梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう) 髪結新三」。歌舞伎美人での上演時間は 2:30-4:41 2時間11分で、配信は2時10分だった。
配役は、髪結新三に中村勘九郎さん、弥太五郎源七に松本幸四郎さん、手代忠七に中村七之助さん、下剃勝奴に坂東巳之助さん、丁稚長松に中村長三郎さん、お熊に中村鶴松さん、家主女房おかくに中村歌女之丞さん、車力善八に片岡亀蔵さん、加賀屋藤兵衛に市川中車さん、家主長兵衛に坂東彌十郎さん、後家お常に中村扇雀さん。
勘九郎さんが初役で新三を勤める。声が十八世中村勘三郎さんそっくりだ。(終盤、「きゃあぎゃあぎゃあぎゃあうるさかったのは、うちの親父だ」と笑いも取っていたが)。人当たりの良い髪結から、悪の本性を出した姿の変わり身が見事。お熊の鶴松さんは可愛らしい。忠七の七之助さんは女方だけでなく優男もまた良い。丁稚長松の長三郎さん、まだ11歳だというのにしっかりと芝居している。今後の活躍が楽しみだ。源七の幸四郎さん、悪くはないけど、もう少し親分の貫禄があれば良かったと思った。勝奴の巳之助さん、しっかり小物感が出ていた。いつぞやの紀尾井町夜話で話題になっていたように記憶しているが、勝奴って芝居の中ですることが多いのね。新三の上手をいく大家の彌十郎さんははまり役だった。
最後は切り口上で幕となったが、通常とは異なり、「この後、所作事ご覧下さりましょう」だった。
次に「艶紅曙接拙(いろもみじつぎきのふつつか) 紅翫」。歌舞伎美人での上演時間は 5:01-5:26 25分で、配信は27分だった。
配役は、紅翫に中村橋之助さん、虫売りおすずに坂東新悟さん、朝顔売阿曽吉に中村福之助さん、大工駒三に中村歌之助さん、角兵衛神吉に中村勘太郎さん、町娘お高に市川染五郎さん、蝶々売留吉に中村虎之介さん、団扇売お静に中村児太郎さん、庄屋銀兵衛に坂東巳之助さん。
「紅翫」は馴染みのない演目だったので、松本幸四郎さん監修の知っておきたい歌舞伎日本舞踊名曲一〇〇選を調べてみたところ、四世中村芝翫によって初演された舞踊とのこと。なるほど、成駒屋ゆかりの演目だから、橋之助さんが紅翫なのか。
まず、若手花形役者さんたちが、江戸の様々な職業の人々を踊る。染五郎さんの女方は珍しい。一番若い勘太郎さんが、お兄さんたちに負けない見事な踊りを踊っていた。そして、いよいよ紅翫の橋之助さんが三味線と太鼓が合体したものを持って花道から登場。紅翫は目鬘をとっかえひっかえしながら踊る。この時の常磐津の語りも芝居している。続いて、歌舞伎名場面集。これは、解説がないと分からない。最後は全員で総踊り。短いながらも楽しい舞踊だった。
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